返された答えは冗談入れた、なんとも人格を正当化してしまうような優しい口振りだ。
その道の人、なんて貫禄があるから、こんな犯人が分かっている事情聴取に来るのはお門違いにも思えた。
因にだが、部屋にはもう一人いる。聴取記入のための制服警官。
挨拶もせずに早速何かを書いているようだった。
「さて、柳葉さん」
記入者から僕と対面する刑事さんに目を置いた。
「竹山信弘(たけやま・のぶひろ)について、我々警察も色々と調べたのですがね」
落ち着く声色ながらも、まっすぐに僕を見つめる目が息苦しさを芽生えさせる。
まるで、脳内部を見透かしているような。
これでは正に犯人と警察の取り調べではないか。過大妄想にすぎないと、馬鹿馬鹿しくすぐに変な考えをやめた。


