そういえば、先生はどうしたのか。
救急車乗るときにはもう別れて、真っ先にかけつけた警察と話していたようだが。
魔法使いが事情聴取だなんてシュールに思えた。
雫のことで手一杯だったからうっかり先生への連絡を後回しにしてしまったが、帰ったら電話するか。
先生は強い人だから巻き込んだことに対して、『ああ、そんなこともあったな』と思い出すように呟くだろうけど。
考えていれば、扉が開いた。
「……、あ」
「どうも、柳葉さん。またお会いしましたね」
熱くても長袖Yシャツを着るのは大人のマナー。にしては、熱いのは耐えられないらしく、袖口を肘までめくり、外営業中のサラリーマンみたいな刑事さんがいた。
ただ、前に会った時にもくたびれたベージュのジャケットと少しだらしのない格好だが、前も今もこのだらしなさがこの刑事さんには不思議と渋さが加わり似合うのだ。


