色んな痛みを箱につめて、箱が大破したイメージ。


血管が切れ、神経が滅し、精神が破裂した。


それだけのことがあったのだ。つまりは、人が死ぬとは“それも含む”ということ。


盲点というかまるっきり考えなかったことだった。


気を回す余裕がない。殺した輩以上に、その身内にまでの悲痛を想像するだなんて。


顔が分からないからこそ、勝手に“無数”が出てきた。


それが僕にすがる。


『なんで殺したの?』


と涙ばかりを流して。


死んでも構わない奴だけを殺してきたつもりだ、中には殺した僕に感謝する奴だっているが――果たしてそれは、誰が保証してくれるのだろうか。


負と正を考えろと言えば、人間は常に最悪たる結果を想定する。すなわち、負を自分から“見たがる”のだ。