今日も今日とて僕は僕をコロシます



シャツを脱ごうと――


「なんだ、ずいぶんと面白い劇をやっているのだな」


全ての出演者が目を向けるような役者がそこにいた。


「せん、せ……」


「ここに来るまで、お前の足が早いとカラスやらひまわりやらが言っていたぞ」


「い、や……、なん」


「ん?今ので察せないか。私との約束を蹴り、理由もなしにいきなり全速力で駆けるのだから、追いかけるのは当たり前だろう。もっとも、スタートに差があったため見失い、道すがらにいた“奴ら”にお前の行き先を聞きまくり、時間はかかったがな」


「は、はあ……」


察すれば良かった。先生に長い説明をさせてしまったのだから。


いつもなら、人には聞かないんですかと言いたいが、豚が喚き始めた。