あの短刀がなくて――武器がなくて殺せるのかと不安が出たが、二秒で掃き出す。
絞殺でも、撲殺でも、素手でやってやりゃあいい。まじそうしよう。拳鍛えてないから殴った弾みで、僕の指が折れるかもだけど、今更武器調達している間に雫に何かあったらどうするんだ。
昔から、恨みを晴らすなら拳でと言ったような言わないような感じがするし、ボコボコにすればこのムカつきイラつき憤怒激怒鬱憤、その他もろもろの厄介な感情が消えるかもしれないし。
「っ、はっ……!」
くそっ、コンビニ近くだからとガソリン代けちって出掛けるんじゃなかった。もう引き返せない距離まで来てしまったし、引き返す気もない。
だから走りやがれ、柳葉草。
心臓破裂しようが、酸欠になろうが、膝擦りむくだろうが、とっとと助けに行け。
雫を助けられるのは、僕しかいないんだから。


