「誰だよ、ちくしょうがっ」
バクバク言う心臓に、酸欠めいた肺。恨み節なんか吐く前に走れよ、こんちくしょうが。
「っ、殺すっ」
走りながら二酸化炭素ともに吐き出す殺意。置いてけぼりにしたはずの殺意がまた芽生えるなんて、僕の感情があまりにも躍起だっているのか。
もしくは。
「しず、くっ!」
雫を泣かした奴が許せなかったか。
雫に恋愛感情はない。だが、友情はある。
幼なじみの腐れ縁にして、切っても切れない絆ができていた。
雫は好きだ。ラブじゃなくてライクだけど、自分よりも大切な存在なんだ。
僕の一生に関わってきた友達で、これからも一緒にいたいと思えて。
「お前はダメだろうがっ」


