だから毎夜、僕が殺した愛する女性が血だらけで言う。
『一生、そばにいてあげる』
にんまりと、さしずめそれが僕にとって最大の『復讐』だと、彼女は笑う。血だらけで。
彼女を刺した感覚が抜けない。手を何度も壁に叩きつけて、殺人に赴こうともしたが――やる気が出なかった。
あの夜から、チャラ男を二人殺した程度で何をこんなにと思うが、その一件からかさぶたの中身がずるりと掻き出されたような欠落を覚える。
傷は先生が与えてくれた。マゾっ気なんかないのに無理矢理ごそりと心を抉られるも、開き直り、『僕はこうしなきゃ死ねない』とかなんとか、かなり中二病くさいセリフを言ったのにこの様だ。
治りかけ――かさぶた作って治ったと思ったのに、剥がれて中身がボロボロと。