“敵”の手が、僕の手を握る。
止まっていたその刃を、自ら引き寄せるように、ぷつりと切っ先が“敵”の喉元に刺さった。
「っ――」
その手を振り払い、引いた。
こちらが殺す側のはずなのに、どうしてこんなにも“怯えている”のか。
「ソウ、次はお前が自覚する番だ。お前は、誰よりも臆病者であると」
「違う!臆病者なんかじゃない!誰にも救いなんか求めないし、僕は独りでいいんだ!僕は殺す!あの時が消えるまで、何度も殺してやる!」
「だったら、この場で私を殺してみせろ。私は死んでも構わない部類ではない、列記とした証拠になるだろう」
「くっ……」
足が踏み出せなかった。これも彼女の予想通りだっか、彼女はこちらに近寄る。


