牙(刃)が出た。
僕の心を形にしたような鋭利が、“敵”の首に伸びるも――寸でで止まった。
歯を噛み締めて、ふーふーと威嚇のように息が出る。
――殺せ、殺せ、いけ。コレは僕を壊すものだ。虚言を言って、虚偽を使い、僕を陥れるモノだ。殺さなきゃならない、殺すんだ、じゃなきゃ壊れる。剥き出しにされる、見られる、視られた、みられてしまった、だから殺さなきゃ、お前の全てが出てきてしまう。
“己で否定した事実を”
「――、お前は殺せない。死んでも構わない奴しか殺せない臆病者なんだ。だから」
「言うなと言っている!」
「お前の問いに答えよう。お前を呼んだのは、“このため”でもあった。ヨウカと相対しながらも、根本的には同じお前にも認めてもらいたくてな」


