「ほら」
部屋の隅にあった袴等を渡された。
灰色で、新品のように染みも虫食いもない綺麗な布地だ。
折り畳まれた服の上には狐面。
やはりデフォルメらしく、白い顔に、赤い線で目や口を書いているものだった。
「着替え手伝うか?」
「ああ、ええと……」
和風着たいとか思っていた僕だが、着方をマスターしているわけもなく、一人で着るには難しいだろう。
女性用着物よりはマシかも知れないが、ちまちまと着替えなんかに時間を取られるのも嫌だ。
「服着たままでも、着られますかね」
「半袖だし、裾上げはしたが、一回り近くは大きいから大丈夫なんじゃないのか」
僕の貧弱な体を、先生のようなナイスバディに見せられないがための案だった。


