『あるな』
「わお。先生万能だ。サイズは大丈夫ですか」
まさかあるとは思っていなかったので、普通に驚いた。
『一回りほど大きいだろうな。男性用で、ただでさえお前は小柄だからな。サイズ合わせておく』
「えっと……身長はー」
『見ただけで分かるから言わんでいい』
「さすがですね、あっぱれあっぱれ。あ、着物ならお面がいいなぁ」
『般若とオカメと狐面があるが』
「狐面で」
即決だった。僕の趣味がバレてしまうな、これは。
分かった、とだけ言って、通話は終了だ。
すぐにメールで、先生の住所が送られてきた。
もうちょい世間話でもしたかったものだ。
あの先生とは話していて飽きないし、なかなかに人の概念を破るような言葉を吐くから感慨深い。
人間の輪から抜け出した僕にとっては憧れに近い。
異常なのに平常であることが。


