またこの人はよく分からないことを、と僅かながらの付き合いなのに、妙に感化されてしまったらしい。
どうして自殺志願者を生きたいと認めさせるのに、殺人犯たる僕が必要なのか。
この人がそうと言ったら、そうなるように仕組みが出来上がっているにしても、複雑すぎた。
「僕は殺ししかできませんよ」
『ならばお前はそれを“証明”してみろ』
獲物をくれるのか、先生は。いや、この人間大好き先生がそんなことするはずがないか。
「んー、解せないですねぇ。つまりは、話し合えと?」
屋上で飛び降りる寸前の奴に、やめるんだあぁぁという場面しか思い付かなかった。
僕ならば、飛び降りるなら刺殺させてと、また違った意味で止めるが。


