「ところでご用件は何ですか?」
『明日、空いているか』
「はあ、えっと。午前中と午後に少し講義があるので、緑の園に行くのは遅くなりますが」
『ああ、いや。来てほしいのは、私の自宅だ』
まさかのお呼ばれ。フラグきたっ、と喜びたいが、恋愛沙汰なしの用件なんだろうな。
「自宅って、どこですか」
『木楽町内だよ。詳しい住所は通話後にメールする。遅くてもいいから、明日、来てくれ。当日、道に迷ったら電話していいから』
魔法使いの家だなんて、さぞや立派なんだろう。年期入ったお化け屋敷みたいな暗い家を勝手に組み立てた。
「また、僕の話を聞くんですか」
『自殺志願者に生きたいと認めさせたくてな』


