常に装備しているのはストーカー対策も入っていた。いつでも殺せるように。
「待てよ……」
いくら正当防衛だからといっても、短刀で殺害しちゃ、なぜこんなものを持っている、最初から殺すつもりだったんじゃないのか、とか言われたら詰む。
浅はかだった。
護身用で通じるレベルじゃないだろう、短刀は。いくら殺意がなければ抜けないとは言え、刺殺体という物体があるため、必ず“何で刺したのか”と問われるだろう。
「あしながおじさん作戦でいくか……」
襲われたところを、見ず知らずのおじさまが助けてくれたの。とかは無難そうだが、バレそう。
いつも通りに、人気のない場所で殺すのがいいか。僕から声をかければ、ひょいひょいついてくるだろう。


