「柳葉さん……いや、草、今日こそ、俺の気持ちを言うよ!」


なぜ言い直した。呼び捨てにされて、なんだか不愉快な気分。唾が飛んできたのでなおのことだ。


「き、君は俺と付き合うためにいるんだ。幸せにする、幸せにするよぉ」


語尾を伸ばしてきたのに殺意が芽生えた。なんだろう、僕の器ってここまで小さかったのか。


「すいません、イヤです」


「結婚前提に付き合うんだよ!ずっと二人で暮らそうよ」


「イヤです、お断りします」


どうして僕は変態遭遇率が多いのか。見た目が小柄だからか。こちとら男なんて興味ないのに。


目眩を感じたので、眉間を揉んだ。


この指をこめかみに添えて、ぐりぐりとやれば、こいつ頭可笑しいよのジェスチャーになるが、キレて暴れられたら面倒だ。隣に雫もいるし。