飲み込んだ。熱い塊が食道を下る。 舌の奥側が酸味を感知した。 今日もまた、帰るなりに吐くのだろう。 結局、人間でしかない僕は、無心にはなれず、気持ち悪さを宿す。 いっそう、感情全てを殺そうか。 「なんて」 都合よく感情だけは殺せないから、今日も今日とて、僕は殺すんだ。 他人だけでなく、僕の余命も押し殺す。 長生きしない人生であるのは、どうせその内、法の裁きとかで死ぬだろうから。 僕の道の先には崖しかない。