「…………」
よし、と思考を再開した。
男がいた。僕の憧れ像みたいな、長身のイケメンだ。
つまりは僕が殺した場面を目撃なりして、しておらずとも、この状況に居合わせれば、僕が殺したとは明らかに分かるだろう。
通常ならば、きゃーなり言って逃げ出すのだが、男は笑顔。
僕が先ほど気持ちがいい刺殺をした時よりも、“綺麗に”笑っていた。
状況整理はできたが、理解が追いつかない。
「ええとー、見てましたよね」
腑抜けに質問すれば、男はまあねと答えた。
「途中からだけど、ずいぶんとぐさぐさやってたね」
「で?」
「ん?」
「あなたはそれに対して――通報とか、一般人のような真似はしないんですか」


