息を忘れていたらしく、笑い声と共に、呼吸をした。
汗が頬を伝う。
拭わず、代わりに血のついた刃を拭いた。
うっとりすらもしよう刀身。あれだけ切っても歪まずに、一回拭いただけで綺麗なる、鏡のようだ。
「あー」
我ながら派手にやってしまった。
転がっている懐中電灯が、丁度、おっさんの顔付近を照らしている。
小さいガキが、おばけだぞー、なんて懐中電灯で自分の顔を照らしたりするが、このおっさんにはそれのMVPをやりたい。
顔じゃないからもう。クレーター。解体作業現場。崩れた砂山。まあ、どれにしても“壊れたもの”でしかないが。
先生もまた、とんでもないものを押し付けてくれた。
いやいや、ありがとう。ますますあの人が好きになる。


