最終確認は済んだ。
“殺せる原因”と“殺していい理由”が産まれたならば、何の迷いもない。
ポケットにある小狐丸に手を添えた。
「あ、その……」
「何か?」
「死ぬ前にお願いがあるんだが……」
おっさんは目を伏せたり、僕に向けたりと、妙に落ち着きがない。
言うべきか言わないべきかを迷ったようだが、どうせ死ぬのだからと開き直ったようで。
「一発、やらせてくれないか?」
「……」
やらせるが殺らせるに脳内変換した僕だが、すぐに書き換えられた。
「す、すまない。いや……こんな可愛い子が来るとは思って、な、なくて……。俺、童貞なんだ。死ぬ前に、一回ぐらい、生を味わいたくて」


