「ん……」
気のせいかと思ったが、目端に光が写った気がした。
その方面にぶらぶらと懐中電灯を動かす。モールス信号などできないから点灯したままだ。
案の定、光が返される。
わお、当たり。
行ってみれば、一人の男がいた。
30代ぐらいだろうか。ゴミ置き場のマネキンみたく、つまりは小汚ない感じの男。ハエが飛んできてもおかしくない。
蚊に刺されたか、左腕をボリボリ掻いていた。
「あー、自殺サイトに書き込みした人ですか」
「あ……、うん」
30代のおっさんが、うんなんて頷きながら言うのは気持ち悪かった。萌えない。
左腕を相も変わらず掻き続けているかと思えば、次は頭。ふけが飛んでいるような気がして、一定の距離を保った。


