いや、矛盾はしていないのか。 先生の視界にいるのは僕だ。僕も救いたい対象になり、これを預けたのだろう。 ここでの救いについて考えた。 僕の殺人理由は、愛する人を刺殺したあの感触を忘れたいがため。そこでこうして、凶器を渡したならば、こう言われている気がした。 “忘れるまで殺せ” 「なわけないか」 出てきた言葉を否定する。 確かに合致する理屈だが、あの先生の性格上、僕の上塗りの手伝いがために渡したわけではなかろうな、と。