指をくわえ、コーヒーで苦くなった口内に酸味が広がり、なんとも言えない攻め苦を味わった。
それほど深くないため指を出そうとも、血は出るもの。どうしようかと思えば、先生が絆創膏をくれた。
絆創膏をつけて応急措置完了もそこそこに、納刀する。次に殺意なしで抜こうとしたが、やはりびくともせず。試しに、昼間見た肉だるま殺そうと思いながら力を込めれば、あっさり抜けた。軽く面白い。
「こんな程度の殺意で抜けて大丈夫なんですか」
「“殺したい”ではなく、“殺す”と確固たる意思が必要なんだ。普通は前者、異常は後者。殺してはいけないと頭にあれば“願望”として終わるが、殺すと決めたならば、それは“意思”となり、小狐丸はそれを汲み取ってくれるんだ」


