「お尋ねしますが、本当に、現場はあの状態で保存されて居るんですね?」 ガタイの良い私服の刑事は、ちょっと困った表情で警察手帳を片手に校長に念を押す様に、そう尋ねた。 「はい、間違い有りません……」 校長も少し困惑した面持ちで刑事の質問に答えた。 刑事は校長の言葉を聞くと、角刈りの頭をぼりぼりと掻きながら怪訝そうな表情で、校長に向かってこう言った。 「困りましたねぇ……」 「まったくです」