ヤバイ。 こういう栞もいい……。 俺は、にやけそうになる口元を手で押さえ、じっと舞台上の栞を見つめた。 周りに誰もいない席でよかった。 演奏が終わるまで、たっぷり栞の姿を堪能しよう……。 やがて、コンサートは、観客の大きな拍手とともに終了。 栞の演奏する姿をたっぷり鑑賞し、俺も大満足だ。 幕が下りるとすぐに、俺は舞台裏に向かった。 菊地から、コンサートが終わったあとのスケジュールは聞いてある。 今、栞は、舞台裏の控え室で、後片付けなどをしてるはずだ。