うわぁ、ドキドキする。 本物の王子様に会うなんて、どうしたらいいんだろう? そんな場合の礼儀作法なんて、全く知らないんだけど。 それに、簡単な英語なら聞き取ることはできるけど、話すことなんかできないし。 大輔くんが通訳してくれるのかな? ガチガチに緊張しながら、奥に進むと。 「栞ちゃん、いらっしゃい」 ワンピース姿の大輔くんのお母さんが、4人掛けのテーブルの向こうから、こちらを見て微笑んでいた。 あ、お母さんもいらっしゃってたんだ。