教室に戻ると、待ってくれていた大輔くんが、おしゃべりしていた友達の輪から抜けて、こちらにやってきた。 「どうだった?」 「うん、高部先生の言ってたとおりだった。 北山学園大の日本文学科でも、司書の資格は取れるって」 「そっか、よかったな」 笑顔で喜んでくれる大輔くん。 でも、気分が落ち込んでしまった私は、笑顔を返せない。 「だけどね、司書の仕事って、就職先が少なくて、コネがないと難しいかもしれないんだって」 「え?」 私の言葉に、大輔くんも笑顔を消した。