「いや、あのさ、手、つないでいい?」 「あ、うん」 うわ、久しぶり。 でも、変わってないな、大輔くんの手。 大きくてあったかい。 ……なんか、ホッとする。 正門横の守衛室に許可証を返し、私たちは駅へ向かった。 もう、あたりは真っ暗。 ひと気の少ない大通りの歩道を、並んで歩いていく。