もう、
心の準備は出来ていた



――バタン

「奈々緒ちゃんっ!大丈夫?」
「はい。大丈夫です。」

「琴理、奈々緒ちゃん、来たよ?ずっと待っていたんやろ?」

琴理は
何も言わない

だけど、
そういうことにしといても
いいよね?


「ねえ
琴理?奈々緒だよ。

奈々緒ね。
琴理が大大大大大好きだから。


これからも、
ずっと、

一番大切な親友だよ!

本当に
生まれてきてくれてありがと。

私に
話しかけてくれてありがと。

親友になってくれて
ありがとう!」


ピーーーー

「9月29日、8時52分31秒。ご臨終です」


本当に
私を
待っていてくれてたみたいな
タイミングだった

ありがとう、琴理。


泣く予定なんかなかったのに

涙が
目を濡らす



「奈々緒ちゃん、これ。」
そう言って
琴理のお母さんが
見せてくれたもの…

琴理の
ケータイの送信ボックスに
眠っていた、

私に向けての手紙。