陽樹は何を言いたかったんだろう…

直接じゃなくても
電話で言えるのに…

でも
記憶がない本人に聞くのは
無理だろう…

陽樹が記憶を取り戻すまで待つ…?
ううん…
それじゃあ、何日かかるか分からない…
でも
どうすればいいのかわからない

急いでる訳じゃないけど
それは
なんだか違う気がする…

陽樹が好きだと気づいた今、
陽樹を思うと
こんなにも苦しくて、切ない。


琴理に陽樹のこと相談してみようかな…
なんて思ってたら
家のインターホンが鳴った。

私は今、家族と離れて暮らしている…
つまり、一人暮らし…
時計を見ると
もうすぐ10時半だった…

こんな時間にだれかな…
ドアを開けると
そこには陽樹がいた。




「…はる…き…?」

陽樹は俯いたまま
何も喋らない…

「とっ、取りあえず中入って!」
そう言って、リビングまで案内した…

聞きたいことはいっぱいあった。
陽樹、どうしてココにいるの?
あの時、私に何を言いたかったの?
私のこと、覚えてないの…?