「……ふ。ははははっ!!固まっちゃったよ、お嬢さんっ。」

気がつけば、
太磨が心から愉快そうに笑う大きな声が、テント中に響いていた。


「…こりゃあ良い。威勢の良い『我が姫』を黙らす術を発見。やっぱり子供だな?」

「―――っ!!クソ親父っっ!!」


にゃっ!!
『――だからっ、ウルサいぃっ!!もぉ~寝てよぉぉっ!!』


……馬鹿みたいだわ。

いくら私が反抗的にわめいても、嫌味ったらしく軽くあしらわれるだけ。

太磨が声を荒げる事はないし、
ムキになる事も無い。


…何なのかしらっ。

その態度と、その口調。
「大人ゆえの余裕だ」とか言われそうね。
この人、絶対に言うわね。

面白がって、
遊ばれてるだけな気がするわ。


だから、
私も改めるわ。

旅の同行は許可するけれど、
極力相手にしない様にする。

付き合ってたら、
私が疲れるだけだものっ。