紫藤さんは首を傾げて


「姫さんて、なんで体操服なの?次の授業が体育とか?」


と訊いた。
それを訊いちゃうんだ。
答えにくい質問だろうと思った…けど


「あー、なんか上から降ってきた。文字通り『バケツをひっくり返したような雨』みたいな感じで。雨じゃないけど!!」

「………」


答えちゃうんだ。
しかも、誰かにやられたことを示唆する言葉で。

紫藤さんは私を見て


「ハルナ何か知ってるか?ファンクラブの一員だろ?」


と言った。


「いや、まあ、知ってますけど。見た目も内容も黒い手紙が回ってきて、『やりたい奴だけで制裁しようよ☆』ってな感じでした」

「「なにそれ軽っ!!」」


二人に突っ込まれた。
嘘は言ってない。脚色したけど。