人の名前を覚えるのって苦手なのよね…。


「……まあ、私が悪かったですよ。悪意はなかったんです。
他意は…」

「他意は?」

「………」

「え!?他意は!?あったの、なかったの!?」

「うるさい」

「理不尽!!」


ぎゃーすか、ぎゃーすか
と、叫んでいる紫藤さん…君?
あれ、この人、何学年なんだろう。

…分かんないから紫藤さんでいいか。


一人で納得していると、シャッ、と軽い音をたててカーテンが開いた。

中から出てきたのは着替え終わった水木さん。


「晴菜ぁー、着替え終わった…って、あれ?学じゃんか」

「おー?姫さんじゃん」


ん?二人とも知り合い?…って、考えるまでもないか。

紫藤さんは龍崎の族に入ってるし
水木さんは龍崎のお気に入り(?)。

どっかで会ったことくらいあるんでしょう。