逆転リバース

「……」

「結城?」

「天然とか、そういうの狙ってるの?」

「はあ? 狙うとか、何だよ。前から思ってたけどさ」

「……なに?」


あの時のこと、私まだ根に持ってるみたい。
初対面でいい人かななんて思ってたから、トイレで酷いことを言うんだもん。


「俺にトゲあるよな? もしかして、俺のこと嫌い?」

「そっちが私を嫌いなんでしょ」


周りに聞かれないほどの小さな声になる。
俊介も音量を下げて声に出す。


「嫌いだったら、キスがあるドラマは避けたっつーの」

「……」

「好きだから、気になったから許可した。今まで俺はそういうの避けてたから」

「え……」


俊介って、ラブストーリーに出てたような気がする。
でも、比較的にメインよりサブに近かった。


「相手がおまえだったから、わざとNGを出した」

「……」

「俺は、結城が好きだ」


立ちくらみがした。
周りの声が耳には入らず、嘘のように時間が過ぎていった。

俊介が遠ざかって、体が浮くような感覚を味わっていると、俊介は驚いて私の名前を叫んだ。