逆転リバース

「あーもう。なんか難しく考えすぎ」


例え周りがどんな反応を示したって、私の世界は小さいんだ。
些細なことだと笑い飛ばさなきゃ……。


「撮影始めまーす」

「はーい」


今は母親ではなく、芸能人の結城という男。
別人になりきらないと……。

スタジオに入ると、最近、歌だけじゃ売れないのか歌手もちらほらと目に入った。

どこに座るか迷ってると、俊介が手を上げて私を呼んでた。

見知った人がいて、ホッとすると駆け寄るため小走りした。


「なんか特番みたいだな。人が多い」

「あれ、台本って読まないの?」

「バラエティの場合は読みたくないんだよ。何も分からないで楽しみたいから」

「……でも大変じゃない? 急に聞かれたりしたら」

「まあ、ベテランとかじゃないし、バラエティ専門じゃないから、変には聞かないだろ」


俊介の言うことも分かるけど、俊介の場合は別の何かを企んでるようにも思える。