逆転リバース


けど、俊介は不思議そうな顔をしている。
あ、そっか椿が男だと分からないし、私が女だと知ってるからこそ変に思ってるのか……。


「……」


みんなが放心して言葉を失っているのが見えた。
これからどうすれば良いかなんて想像も出来ない。


「とりあえず、この後がありますから、早く終わらせましょう」


椿の発した言葉に、ようやくみんなが意識を戻してくれた。
俊介は椿を睨んでる。これは気付かれたな……。


さすがはプロの集団だ。
何も無かったかのように振る舞い収録を終えた。


「おめでとう」

「あの噂は嘘だったんだな」

「幸せになれよ」


そう言って足早に立ち去る人もいれば……、


「軽蔑した」

「最低じゃん」

「……なんか裏切られた感じ」


嫌悪感をぶつけて帰る人もいた。
観客たちも各々反応が違って、祝福する人もいれば、ファンらしい子が大嫌いだと大声で叫ぶ。

予想できたことだけど、いざなると心がすごく痛かった。
騙していたってことが、今更ながら大きなことだったんだね。