逆転リバース



謝った声が苦しいぐらいに切なくて、心がギュッとなる。


「大丈夫……、大丈夫」


俊介は椿が男だと気付いたはず、でも、全くこっちを見ずに何を考えてるのか分からない。


「ごめん」


何度も謝る。それは私じゃなく、社長に言ってね。

その時は私も一緒に謝るから。

私は椿の右手を掴んだ。驚いた様子だったけど、振り払いはしなかった。


「何とかなるよ」

「……結城」

「親子だよ? どんな困難だって一人じゃない」

「……ありがとな」


こうやって後悔するんだもん。
元気出して、なんて気軽に言えないよ。

だったら、一緒に手を繋いで歩くくらい……良いよね?

収録が再開した時には、何とも無いように振る舞う。

笑顔がどこかぎこちない人もいるけど、最後まで進めることが出来た。