***** 「…ん…?」 瞳を開けると、そこは異世界だった。 常に明るい天界とは相反する黒い空。 おかしいわ。 まるで…ここは… ゆっくりと体を起こすと、目に映ったのは深緑とは言い難いほぼ黒色の葉が生い茂った林。 途端、激しい孤独感が私の心を支配する。 天界に来てからは強がっていた私。 天使として生きる事を躊躇いもなく受け入れた私。 容姿が優れていたために虐めを受けても、涙を見せなかった私。 その強さの全てが崩れ、胸が張り裂けそうになる。