氷狼―コオリオオカミ―を探して

窓の外では冬の嵐が吹き荒れ

鬨(とき)の声が聞こえる


「狐火を燈せ!」

「風を吹き鳴らせ!」


大いなる冬の主たる氷狼を追い立て

妖魔の狩人達が野を駆ける



冬はすべてを飲み込み

覆い尽くし

人の迷いを清めていく


冬は冷たくも優しいゆりかご


来るべき春のために

生命溢れる春のために





   ――終わり――