「ですから…。我が王族は…。」






パンの授業は続き…。石のくせに丸メガネをかける。いるのかなあれ?と毎回気になる。






私はどうせここから出られない…。皆やさしいけど…。外に出たいな。
森の…。山奥のこの寺院…。今まで訪ねたものはなく。来るのは腹黒い奴らばかり。
来ても不気味な音に動く石をみて逃げ出すしまつ。本当につまらない…。





「聞いておりますか?!エリー様!」






はっと我に帰ると山ずみの本がほこりと共に崩れる。






「げほ!ちょっとここ掃除をしないと…。」






「申し訳ありません…。私でも触れない禁書がありまして…。掃除を怠っておりました!」






おいおい泣き出す羊。






「わかったから泣かないで!私がやっておくね。」






ガーゴイル達は活動時間的に夜に動く。キスしたら別だけど…。動けるけど滅多に昼間は動かない。いつものテラスの定位置にいる。
ただ…。パンだけは別…。疲れないか心配だけど…。石は疲れないのかな。






てか私が疲れた…。眠い。






ゴン!






「エリー様!」






机に頭をつけて寝てしまった…。






お子様には夜通しはさすがにきつかった。






有り余る時間と聖域に幽閉される少女の憂鬱はつきることがない…。






執事は布を掛けて退出した。
「良い夢を…。」






少女の永遠に繰り返されていた時間…。寺院の呪いはいつ解けるか誰も知らなかった。






聖域を汚す奴らはすぐそこに…。