「まったく毎晩毎晩あきねぇな…。」






テラスの窓ガラスに写る黒い影。大きな翼。
「ライル!助けて。」






「やだよ!まったく…。」






剣を振り回して遊ぶ羽根のあるガーゴイル。






「ライルの薄情もの!」





ズルズル書斎に引っ張って行かれる。






テラスに座りわなわなと体を振るわせたあと大爆笑する角の生えたガーゴイル。
「止めろ~笑える!」






笑い声にガタガタ音をたててうるさい。
「サリ!サリでもいいから助けて。」






「無理…。俺そのオッサン苦手。」






「オッサンですと!チャラチャラしたものには一番言われたくありませんな。」






チャラいガーゴイルはゲラゲラ笑って見送る。





そして…。隣にいた冷ややかな目線の長身ガーゴイル。
「キルア…。やっぱりいいや…。」






そんで滅多にしゃべらない無口なガーゴイル。






「ナイト~。」






背中を向けていつも物思いにふけてる。






「皆の裏切りもの~!!」






パタンと書斎の扉が閉められた。