剣を構えたまま巨人の腹部に突き刺さる。





「「「ライル!」」」






*******




煙で息苦しい…。





「お父様!お母様!」




「エリーすまない…。重責を背負わしてしまった。」





「エリー!」






「ラ…。イル。」





「大丈夫か?!」




「ここ…。ここにいるよ!」





ライルが砂をかき分けエリーの顔が見える。





「今助ける!」





「サリが!サリを助けて!」





「あいつなら大丈夫だ。」





砂の中にエリーを確認したが…。砂はエリーを放さない。体に吸い付くように…。
底なしの魔力を奪い続けエリーを縛る。





エリーの顔を引き寄せ…。強引にキスをした。





「!」




「悪い…。」




「何すんのよ!」




顔は笑っていた…。




「信じてた…。」




砂が動き出し再び見えなくなる。





「待ってろ!今助ける!」




「待ってる…。」




小さな声は届かなかった。




羽根つきガーゴイルは血が通い。暖かい生身に変わる。





外に弾き出された。




「あぁ!またずっこいぞ!」





「エリーは?!」





「中にいた!」




剣が光を帯びて真の姿を示す。





ナイトが雷雲を呼び雨が降る。





キルアが雷の鉄拳を巨人の足に当て粉砕する。





しかし巨人の再生が速い。




光の剣でライルが斬りつける。




「無駄だ魔神よ!魔力の元は古の乙女。いくら壊そうが同じこと。さぁ…ゴーレム達よ。手始めに隣国から血祭りにあげクレイの復活を!」





額の魔石が怪しげに赤々と光を放つ。





バラバラに動いていた泥人形達がそろって動き出す。





キルアとサリは二人で巨人の額を殴り倒す。





強烈な蹴りと拳で巨人が倒れる。





サリは自ら口に突入し、キルアも続く。
ライルはそのまま首を切り落として侵入した。





腹の中は…。





「なんだこれ?」





「砂の迷宮に自ら入るとは魔神は…。」






石板のガーゴイルはしっかりと見据えて言った。
「そんなに柔じゃありませんよ…。貴方と違って。」




どこか余裕の微笑み。





「そうでしょ?カオン殿…。」





「!」