サリはエリーに優しくキスをする…。






体は魔法が解けるように石は生身に変わる…。暖かい体は少女を包み込みガーゴイルの楯に入る。





「甘くみられたものですね。寺院に侵入してくるなんて…。魔法協定を破るつもりですか?」






ナイトは冷たく見据え石板に手を置いていた。






「私はクレイの国を再興する。」






クレイ?確か滅びた一族。





「だがここではそれが出来る。」






ニヤリッと笑った直後、ナイトの魔法の楯が粉砕された。





サリはエリーを庇うも大量の砂に足を捕られる。
砂は渦を巻いて二人を地面に取り込んだ。






砂嵐とともに魔族と二人は消えた。






「エリー!!!クソっ!」
剣を地面に突き立てる。





「古文書を探さなければならない。」






「何言ってんだよ!エリーとサリが拐われたんだぞ!」





「犬と砂…。クレイ国。行き先がわかる。恐らくは失われた遺跡。土の遺跡。」







書斎に向かう。
「僕の記憶が正しければ、復活させるはず。」






「なんなんだよ!」






「破壊の巨人とその兵隊達…。恐らくエリーは…。」






「巨人の甦る魔力の元にされる。」






普段は無口なガーゴイルが説明していく。






「わかった。早く…。場所を見つけてくれ…。」





書斎を探さなければならない。目当ての古文書はデスクの下にあった…。




貴重な古文書は埃をかぶっていない。






「誰かが読んでる…。なんて…。」





即ちエリーが見ていたことになる。






「中身は知らないと思うぜ。あいつ寝てたからな。それに…。」






「それに?」






「いや!なんでもねーよ!」





「じいさんの具合もみないと…。」





「大丈夫だろ?あぁ見えて不死身の羊だろ。」