「どんな時があっても、俺はお前の」

その言葉を遮ったのは、ブレーキ音と何かがぶつかる音。
そして救急車を呼ぶ声と悲鳴。
交通事故があったのか。ただそれだけしか感じなかった。

「うわっ…事故だってよ。俺達も気をつけないと。な、アキ」

アキの方を見れば、アキの姿はなかった。
まさかと思い今まで1度も見なかった場所を見つめた。
目に映ったのは血を流して倒れているアキと、泣いている幼稚園児。
何が起こったのか分からなかった。
確かにアキは隣にいた。なのに何故あんな所にいるんだ?

「ア……キ?嘘だろ…?」

傍に寄ろうとして、引き止められた。
それを力いっぱい振り払い、漸く傍に行けた。
丁度良く救急車とパトカーがやって来て、
俺は必死に頼みこんで救急車に乗せてもらう事に成功した。
遠くで見たから分からなかったけど、近くで見れば酷く苦しそうな顔をしていた。
酸素マスクをさせられて、救急隊員による処置を見ながらアキの無事を願っていた。
意識のない彼の手を、ぎゅっと握り締めて願った。


どうか生きてくれ、と。