「もっと泣けるネタを話してやるよ。
そんな訳で、こう見えても俺、結構苦労してんの。
大学も家からチャリ通できる国公立にしてさ。
奨学金とバイト代で授業料と生活費全額賄ったんだぞ」
すごい。
お金にシビアなのはこの頃からなのね。
「今は残念ながら制度自体がなくなったんだけどさ。
昔は『日本育英会』っていうところが奨学金を貸与してくれてたんだ。
うちみたいに母子家庭で生活が苦しい場合は、無利子で貸してくれた。
しかも!
教員になって規定の年数勤務したら、返済しなくて済むんだよ、これが!
俺は総額200万位借りてたからさ、この借金が無くなるなんて有り難い話だろ?」
そんな制度があったんだ。
なるほど。
「……あと少しの間、無事に勤めたら200万返さなくて済む。
だから、信用失墜行為なんて絶対にやらかしちゃまずいんだ!
お礼奉公みたいなもんだからな。
ちなみに、教員は結構この制度使ってるぞ」



