模擬店はなかなか繁盛した。
クラス展示も上手くいったようだし、ステージ発表も盛り上がった。
高校最後の学校祭は、楽しかった。
クラスがひとつになったみたいで。
これが終わったら、みんな受験勉強一色になってしまう。
最後にたくさん騒いで、これからの生活に耐えなくちゃ。
後夜祭。
グランドで騒いで踊る私達を、遠くから撮影している松本先生発見!
「先生〜! 写真撮って!!」
「ああ、悪い。フィルムが無くなった。準備室に戻るんだ」
「私もついてく~」
慌てて後ろを追いかけた。
「先生のカメラ、本格的だよね?
デジカメじゃないし、写真屋さんのカメラみたい」
準備室までの道のり、先生が使っているカメラを見て言った。
「先生、写真部の顧問だもんね。写真撮るのって楽しい?」
そう聞いたところで準備室に着いた。
鍵を開けて、また私を先に入れてくれる。
その間、ずっと無言。
「ねぇ、先生?
私の話聞いてた?
やっぱり今日、疲れてる?」
私の視線を逸らすように、部屋の奥、窓側へ進む先生。
背中を向けて、窓の外に広がるグランドを見ている。
「今日、13回忌なんだ。親父の」



