「私は先生のそういうところも好き。
今まで、私の小説にさんざんツッコミを入れていたのも、自分の仕事に誇りを持っているからだよね。
信用を傷つけないように、私の失恋の傷も最小限で済ませようとしたんでしょう?
そこまで考えて行動するのが、リアルな先生だったんだね」
先生、すごく嬉しそうな顔をして私を見てる。
「生徒の前に立つ時、誇りを持てる自分でありたい。
だから、それを理解してくれたのは本当に嬉しいよ。
だけど……足りない」
何が?と聞く前に。
路側帯のすぐ横は、車が通りすぎているというのに。
先生はシートベルトを外して、私に長いキスをした。



