それと……真面目な先生だから。
私も考えたんだよ。
「先生の気持ちを知っていたから、卒業するまでは絶対に告白できないって思ったの。
前に、先生に告白していた子、いたでしょ?
私も同じ気持ちだったけど、あの子みたいな行動は、私には無理だった。
だって、先生を困らせることが解っていたから。
気持ちを伝えればいいってものじゃないと思ったの」
本当に好きな相手だったら。
迷惑になることをすべきじゃないと考えた。
「……そこまで、考えてたのか」
「それは本人にとっては勇気をふりしぼった行動かも知れない。
でも、相手の立場を理解したら、軽々しく口にできないもん。
それは、勇気じゃなくて無謀なだけ。
……結局私も、卒業式が終わればいいかと思って、無謀なことをする直前だったんだけどね」
「だから、止めただろ」
先生が、くすっと笑った。



