「いいんだ。
それが当たり前だから。
……いや、むしろそうじゃなきゃ困る」
「どうして?」
「そんなにすぐ『男』だと意識されるということは……。
在学中からの『信用失墜行為』があるか、真面目に働かず生徒に色目を使ったか、ものすごい男前でフェロモン全開か……って事だ。
どれも問題あり、だろ?」
「うん……そうかも」
「菫の在学中、そういった『禁じ手』を 一切使わないのが、俺の教員としてのプライドだった。
だから、菫が『教員としての俺』を好きになってくれたのは、本当に嬉しい。
教師冥利に尽きるよ」
「うまく言えないけれど、私は先生のそういうところも好き。
……私は、真面目に受験勉強し始めた頃から、先生が好きになったの。
でも、もしもその頃、先生が私に『信用失墜行為』をしたら……。
きっと、信頼や尊敬はできなかったと思う。
頑固に『先生』を貫き通した先生だから、こんなに好きになっちゃったの」



