……そして今。
私は先生の車の助手席に座って、CDを物色中。
「……知ってる曲、ないよ」
「悪いけど、日本のアイドルの曲は聴かないぞ」
「私もあんまり聴かないけど、せめて日本人を一人くらい置いてください」
「……わかった。
とりあえず、今はこれでも聴いとけ」
私でも聴いたことのある、よくCMで流れている洋楽。
何て歌ってるのかよくわかんないけど、ドライブにはいい感じのリズム。
洋楽も、いいかも。
「どっか行きたいところ、あるのか?」
「ううん。特にないよ。
だって、誰かに見つかったら困るでしょ?」
卒業してすぐの教え子だもん。
「卒業してから付き合いました」って言っても、きっと信じてもらえない。
先生に迷惑がかかっちゃう。
「……確認しておきたいんだけどさ、安西は教員免許取るのか?」
「教員免許?
うん、取りたいと思うよ」
資格は大事だもん。
日文だと、中学・高校の国語と、書写の免許が取れるってパンフレットに載ってたし。
「そうか。
じゃあ、見つからないほうがいいな」



