先生観察日記


我が家に着いたら、お姉ちゃんが玄関で待っていてくれた。


「菫は自分の部屋にいなさいね。

お姉ちゃんと先生で、お父さんに話すから」


当事者の私がいなくていいの?


「でも……」


「菫がいない方が、お父さんも感情的にならないから」


そういうもの……なのかな?


「わかった。

お姉ちゃん、お願いします」


「任せて!」


そして、後ろを見上げる。


「先生……」


大丈夫かな?今度は『先生』じゃないんだもん。


「大丈夫。あのお姉さんがついてる限り」


そうだけど……。

私の不安をよそに、余裕の表情を浮かべて耳元で囁かれた。


「……黙って部屋で、明日の準備でもしてろ」


明日!?

例の『ずっとデート』!?

本気なの?


ニヤリと笑う先生を見るのが恥ずかしくて、急いで二階へ上がってしまった。